❚不登校・学校行き渋りの原因を理解する
「夏休みが終わってから、子どもが学校に行きたがらなくなった…。」そんな状況に直面したとき、親としてどうしたら良いのか途方に暮れてしまいますよね。
でも、焦らずに少しだけ立ち止まってみてください。子どもの心の中で何が起きているのか、一緒に考えてみましょう。
まず、夏休み中に子どもがどんな生活を送っていたかを振り返ってみてください。朝はゆっくり起きて、好きなことをして過ごす時間が増えていたかもしれません。これが続くと、学校生活に戻ることが急に大きな負担に感じられるようになります。この変化が、学校行き渋りの一つの大きな要因です。
また、学校での出来事についても心配が募ります。例えば、子どもが何か言い出しづらいことを抱えているかもしれません。友達とのトラブルや、授業についていけない不安感、あるいは先生とのコミュニケーションに問題を感じていることも考えられます。こうした場合、無理に「何があったの?」と問い詰めるよりも、まずはお子さんのペースに合わせて話を聞く準備を整えることが大切です。
あるお母さんは、毎朝学校に行くのを嫌がる娘さんに「学校で何かあった?」と何度も尋ねましたが、娘さんは何も言わずただ黙っているだけでした。
そんなとき、無理に話を聞こうとするより、親自身が少しだけ立ち止まり、「話したいときがきたらいつでも聞くよ」という姿勢でいることが、子どもにとって安心感を与えることができるんです。
❚中学生の学校行き渋りに対する親の具体的な対応策
中学生のお子さんが学校に行きたがらないとき、親として何ができるのでしょうか。
中学生になると、思春期特有の不安定な時期に差し掛かり、学校生活が一層難しく感じられることがあります。ですが、適切な対応を取ることで、少しずつ学校に向かう気持ちを取り戻すことができるかもしれません。
☆☆「朝のリズムを整える」☆☆
あるご家庭では、毎朝同じ時間に起きることから始めました。
最初は起きられずに、何度も目覚まし時計を止めてしまうことが続きましたが、次第に起きる時間が安定してくると、学校に行く準備もスムーズに進むようになりました。
特に、朝の身支度を済ませる時間を決めておくと、子どもも「朝はこうやって準備するんだ」と無意識のうちに自分の行動パターンを確立していきます。
☆☆「小さな成功体験を積み重ねる」☆☆
例えば、学校に行けた日には、一緒に好きなデザートを食べるなど、ちょっとしたご褒美を用意してみてください。「今日は頑張ったね」と子どもを認めてあげることで、次も頑張ってみようという気持ちが生まれます。
☆☆「学校以外のコミュニケーションの場を見つける」☆☆
中学生の時期は、学校以外の場所での交流が大きな支えとなることがあります。
例えば、地域のスポーツクラブや趣味のサークルに参加することで、学校とは違う友達や環境の中でリラックスできる時間を持つことができます。これにより、学校への抵抗感が和らぎ、少しずつ通学への意欲を取り戻せるかもしれません。
あるお父さんは、学校に行きたがらない息子さんに対して、「今日は学校に行けなくてもいい。明日少しだけ行ってみようか」と声をかけました。
その日は休んだものの、翌日には少しだけ学校に顔を出すことができました。
こうした小さなステップを認めることが、子どもにとって大きな安心感となるのです。
❚小学一年生の学校行き渋りをどう乗り越えるか
小学一年生が学校に行きたがらないとき、親としてはとても心配ですよね。
特に、入学直後や夏休み明けなどのタイミングでは、学校という新しい環境にまだ慣れ切れていないことが原因で、行き渋りが起こることがあります。
ここでは、具体的にどのように対応すればよいかを見ていきましょう。
☆☆「学校が楽しい場所だと感じさせる工夫」☆☆
あるお母さんは、息子さんが学校に行きたがらないとき、毎朝一緒に「今日の楽しいこと」を考えるようにしました。
「今日は新しい絵の具を使ってみよう」とか、「給食のデザートは何かな?」など、学校で楽しみなことに焦点を当てると、子どもも自然とポジティブな気持ちを持つようになりました。
このように、小さな楽しみを見つけることで、学校に行くことへの抵抗感を和らげることができます。
☆☆「朝の準備をスムーズにする環境づくり」☆☆
例えば、前日の夜にランドセルの準備を一緒に済ませておくと、朝の慌ただしさが減り、気持ちの余裕が生まれます。
また、子どもが自分で支度できるように、持ち物や服を手の届く場所に整理しておくと、自分でできたという達成感が得られます。こうした「自分でできた」という小さな成功体験が、次の行動への自信につながります。
☆☆「親子のコミュニケーションが重要なカギ」☆☆
学校での出来事を聞くときは、具体的な質問を投げかけてみると良いでしょう。
「今日は誰と遊んだの?」とか「どんなお話があったの?」といった具体的な質問が、子どもの話しやすい環境を作り出します。
このように、日常的にコミュニケーションを取り続けることで、子どもが学校に関する不安や心配事を少しずつ話せるようになります。
また、あるお父さんは、息子さんが学校に行くのを嫌がったとき、一度学校に一緒に行くことを提案しました。
実際にお父さんと一緒に学校に行き、教室や校庭を見て回ることで、息子さんは学校に対する恐怖心が薄れ、その後少しずつ自分から行けるようになりました。
このように、無理をさせずに安心感を与えることが、小さな子どもの学校行き渋りを乗り越える手助けとなります。
❚学校行き渋りが治った子どもたちの共通点とは?
学校行き渋りを経験した多くの親御さんが、「どうやってこの状況を乗り越えたら良いのか?」と悩まれることが多いです。
しかし、学校行き渋りが治った子どもたちには、いくつか共通するポイントが見られることがあります。これを知ることで、今後の対応に活かすことができるかもしれません。
☆☆「子どものペースに寄り添うことが重要」☆☆
あるお母さんは、学校に行くのを嫌がる娘さんに対して、無理に学校に連れて行くのではなく、家で一緒に過ごす時間を大切にしました。
娘さんが少しでも学校に行ける気持ちが芽生えたときには、それを大いに褒めて、少しずつステップアップさせるよう心掛けたそうです。
その結果、娘さんは自分のペースで少しずつ登校できるようになりました。このように、子どもが自分で「行こうかな」と思えるようになるまで待つことが、結果的に最も効果的であることが多いのです。
☆☆「親子の信頼関係が深まった」☆☆
学校行き渋りが続く中で、親が子どもの気持ちを尊重し、無理をさせずに接することで、子どもは「親は自分を信じてくれている」と感じるようになります。
この信頼感が、子どもにとって大きな支えとなり、結果的に学校へ行くことへの抵抗が和らいでいくのです。あるご家庭では、子どもが学校に行くことができた日には、家族で一緒に夕食を作ったり、特別なお菓子を楽しむ時間を設けるなどして、子どもの努力を自然に認める機会を作りました。こうした取り組みが、子どもの心に自信を与えたそうです。
☆☆「学校外の居場所を見つけた」☆☆
子どもたちも、行き渋りから脱却するケースが多いです。例えば、学校以外の場所で自分を受け入れてくれる友達や大人と出会うことで、子どもは安心感を得ることができます。
その結果、「学校に行かなければ」というプレッシャーが減り、少しずつ学校へ足を運ぶようになるのです。地域の習い事や、子どもが興味を持つ活動に参加させることも、行き渋りを乗り越える一つの方法です。
ある男の子は、サッカーチームに参加することで自信をつけ、その後学校でも積極的に友達と関わるようになりました。このように、学校外での成功体験が学校生活にプラスの影響を与えることは少なくありません。
❚専門家に相談するタイミングとその方法
子どもの学校行き渋りや不登校が続くと、親としてどう対処すれば良いのか不安になることがあります。
親のサポートだけでは限界を感じる場合、専門家に相談することも選択肢の一つです。しかし、どのタイミングで、どのように相談すれば良いのかを迷うことも多いでしょう。
ここでは、専門家に相談するべきタイミングとその方法について、具体的にお話しします。
☆☆「学校行き渋りが2週間以上続いたとき」☆☆ 一つの相談の目安
学校に行きたがらない日が続いたり、行き渋りが始まってから2週間以上経過しても改善の兆しが見られない場合は、専門家の助けを借りることを検討しましょう。
特に、子どもが学校や友達、学業に対して強い不安を抱えている様子が見られる場合は、早めの対応が重要です。あるお母さんは、息子さんが1か月間学校に行けなくなったときにカウンセリングを受けることを決断しました。
その結果、息子さんは少しずつ自分の気持ちを整理できるようになり、再び学校に戻る準備が整いました。
☆☆「子どもが身体的な症状を訴えるとき」☆☆ 専門家への相談が必要
例えば、朝になると頭痛や腹痛を訴える、寝つきが悪くなった、食欲が減退するなどの症状が現れる場合、それは心身のストレスが原因となっている可能性があります。
こうした身体的な症状が出た場合には、まずはかかりつけの医師に相談し、その後必要に応じて心理カウンセラーやスクールカウンセラーの助けを求めると良いでしょう。
心と体は密接に関係しており、身体的な症状が解消されると、学校への抵抗感も徐々に減少していくことが期待できます。
☆☆「子どもが家庭でも情緒不安定な状態が続くとき」☆☆ 相談を考えるべき
家庭内でイライラしやすくなったり、急に泣き出したりするなど、子どもの情緒が不安定になっている場合は、心のケアが必要です。このような状態が続くと、学校生活だけでなく、家庭生活にも影響が及ぶため、早めに専門家の意見を聞いてみましょう。
あるご家庭では、子どもが家でも急に泣き出すことが増えたため、スクールカウンセラーに相談しました。その結果、親も一緒にカウンセリングを受け、家庭内での接し方を見直すことで、子どもの情緒が安定してきたそうです。
☆☆「適切な窓口を見つけること」☆☆
まず、学校のスクールカウンセラーや教育相談室に連絡を取ってみましょう。これらの窓口は、子どもの心のケアや学校生活に関するアドバイスを提供してくれる場所です。
また、市区町村の児童相談所や発達支援センターも利用可能です。子どもの状態に応じて、適切な専門家に繋がることが重要です。
☆☆「相談に行くことを子どもに伝える方法」☆☆
子どもに対して、「お話ししてみない?」と優しく提案することで、子どもが自分の気持ちを話しやすくなる場合があります。
強制的に連れて行くのではなく、「一緒に行ってみようか」というスタンスで、子どもの気持ちに寄り添いながら相談の場を作ることが大切です。
これまで見てきたように、適切なタイミングで専門家に相談することで、子どもだけでなく、親自身の不安も軽減され、家庭全体が前向きに問題に取り組むことができます。
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次回は、「子どもの未来を考えた上での進路選択」「不登校と学校行き渋りの海外事例から学ぶ」等についてお話ししましょう。
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