不登校の子供・不登校を持つ親の声をもとにできた法律をご存じですか?
それは、「教育機会確保法(正式名称:義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律)」といって、一人ひとりにあった学びの場を保証するための法律です。
8月ももうすぐ終わります。
夏休み明け前後は、学校が苦手な子供にとって心がザワザワして、とてもデリケートな時期です。学校に行けていないことに負い目もあり、つらい時期でもあります。
☆でも朗報です!!☆
この法律によって、学校に登校しなくても未来が拓ける可能性が出てきたのです。
〇「確保法」の5つのポイント
【Point 1 休養の必要性】
体調不良、いじめ、周囲になじめない…様々な理由で学校に行けなくなった子どもが、 「休んでも良い」ということが、初めて法律に盛り込まれました。
辛いときは、休むことが必要であることが認められました。 (第 13 条)
【Point 2 学校以外の学びの場の大切さ】
フリースクールや家庭など、学校以外の多様な学び場を選択できることが大切です。
一人ひとりに合った居場所・学習環境を確保することの重要性が明記されています。
(第 13 条)
【Point 3「学校復帰」ではなく「社会的自立」】
これまでは、不登校対策として「学校復帰」が前提とされていましたが、確保法の理念 に基づき、令和元年 10 月25日の文科省の通達により、「学校復帰」の文言がある通知は 廃止され、「社会的自立」を目指すことが明記されました。
【Point 4 公民連携】
国、地方公共団体、フリースクールや親の会等、民間の団体その他の関係者がお互いに 協力して連携していくことが基本理念として明記されています。
(第 3 条)
【Point 5 子供や親への必要な情報提供】
学校や地方公共団体は、子どもや親に必要な情報提供をすることが明記されました。
休養の必要性や民間施設の紹介など、個々への適切な支援のために、積極的な情報交換 や連携をすることとしています。 (第 13 条)
〇「確保法」ができて、どう変わりつつあるのか⁈
学びの場:学校以外の多様な学びの場として、学校や公共施設に情報発信できた。フリース クール等が大切な場であると認められ、子どもたちの選択できる学びの場が増えた。
学校:子どもが辛い時、無理して「学校に来てください」と言わなくてもよくなった。ま た、地域のフリースクールや居場所、親の会の情報を親に伝えやすくなった。
親:「学校を休んでもいい」と負い目を感じずに言えるようになった。家庭も教育の場であ ることが認められ、ホームエデュケーションがしやすくなった。
地域:これまでは不登校について偏見があったが、「問題行動ではない」ことがわかり、地 域みんなで支えていくという認識になった。
〇保護者・支援者・教師・関係者の声
・以前は、 先生から 「とにかく、 学校に連れてきてください」 と言われていました。
今では、 そうした登校圧力が減って楽になりました。 (母親)
・学校の理解もあり、 保護者に親の会の情報を気軽に紹介しています。 (SSW)
・以前は 「保健室が甘いから、 いつまでも教室に来ない」 と嫌味を言われることがあっ たけど、今はそういうことを言う先生は少なくなりました。 (養護教諭)
・親の会主催の講演会などの情報が、学校に届くようになりました。 保護者に伝えて一緒 に参加しています。 (教師)
・不登校会議の案内を民間団体にも出しています。 顔見知りになり、 連携が進んでいま す。また、 当事者目線の意見を聞くことができて、 出席者に大きな気づきがあります。 (行政職)(出典・引用:NPO法人 登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク )
このように学校以外にもたくさんの選択肢があり、その重要性が法律で認められているのです。
しかし、法律ができても、学校や地域が大きく変化できたとはいえませんが、少しずつ、不登校の子供に対して、やさしい社会になれるようアプローチをしていきたいと考えています。また、親がこの法律を理解して、学校や関係機関に改善してほしいことなどを伝えていくことも大切です。
子供が不登校だった親700人の経験者のアンケート結果では、
後悔したこと→学校に無理やり行かせたこと
やってよかったこと→学校に行かせるのをやめたこと
(しかし、ここに至るまでのは時間がかかった)
とにかく、心からゆっくり休ませてあげることが、一番大切です。
学校に行けなくても、法律で守られているのですから、子供が居心地の良い居場所で、我が子の長所や得意なことをほめて伸ばしていってあげてください。
次回は、多くの不登校の子供が通る7段階とワンポイントアドバイスについて登校したいと思います。
ブログ投稿も少しずつ増やしていこうと思っていますので、楽しみにしておいてください。
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